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どんでんの話

どんでん・どんでん返しといえば、歌舞伎の舞台転換や瞬間的な逆転劇を想像される方も多いでしょうが、ここでは洋裁における「どんでん」の話。表身頃と裏身頃の、周囲ぐるりを縫ってひっくり返すアレです。

何年か前に、当時管理していたBBSでアンケートを取りました。その時の回答がものすごく参考になったので、俺様メモも兼ねてここに転記します。雑談部分は省いてます。
(一応仮名にしておきますが、転記されちゃ困る~って方はご連絡ください)

総裏のジャケットを縫う皆様に質問。
どんでんの返し口はどこに作ってます?どの部分を手まつりで仕上げてます?
ちなみに私は、袖口および裾での表地・裏地の縫い合わせはミシンで、身頃裾は袖ぐりから引っ張り出してまつり縫い。袖ぐりは手まつりで仕上げてます。
(その後いろいろ思うところあって、今は裏地袖ぐりもミシン縫いです。返し口は身頃裾。)

以下お答えくださった方々の代表的なご意見。(2004年11月当時)


 

回答者 東の巨匠J様
私は裏袖付けをミシンでしておいて、裏袖口&裏身頃裾は手でまつっています。
以前は裏袖付けも手まつりでしていたのですが、袖付けっていせを入れるじゃないですか。まつりながらいを、それも等分に入れていくというのがどうにも苦手で(^^ゞ
裏袖は表袖に比べていせ分量を、減らしてはあるのですがミシンで入れる方が手早いもので。

あ、あと裏裾をまつってつけるのは、身頃の中綴じがしやすいこともあります(^^)

回答者 洋裁学校に通うN様
”どんでんの返し”しないし、引っ張り出すところないし、ほとんど全部手まつり!ミシンで縫うのは、見返しにつけるところだけです。。。

回答者 お仕立てを職業にしているA様
私もNさんと同じで、み~んな手まつりです。
これは、パターンを表布用のものだけで作っているので、裏地は縫い合わせながら、ずれた縫い線を修正していく縫い方のせいもあると思います。
既製服の場合、裏用パターンを別に起こしてるようですものね。

テーラードジャケットの襟もどんでん返し方式でない方が返りを調整しやすいので好みなのですが、今時のスピードソーイングからは程遠いやり方ですよね。

Jさんのいせをミシンで入れるほうが早いっていうお話。うらやまし~い。ギャザーもいせも手でぐしぐししてます。いやはや。。。。

回答者 元同僚C様
自分自身では卒業してから総裏のジャケットなんぞ、作っていないのですが…。

やっぱり、ともこさんと同じですよ~。師匠が同じだから?

回答者 リアル大師匠S様
業界で流行の「どんでん」は背中心を長めに開けて余裕で返します。
その背中心を閉じるために何所でもいいから小さな縫い残しを作っておいてその縫い残しを使って背中心をミシン縫い、後は手まつり。

比翼開きの「どんでん」は、もっと簡単。比翼部分のステッチを最後に掛ければすっきり。

Sのお勧めは「どんでん」より見返しの裾始末。
見返しの裾に「きせ」を入れると吊れが防止できて千鳥掛けなんかも不要。
問題はパターンですが、製品を見れば分かります。周りの服やお店の服をチェックして下さい。

---------------------
だいたいこんな感じ。
これらのコメントから派生した話を流れに沿って転記します。

たなかコメント
★Jさま
師匠は裏袖つけミシン派なのですね。私はどうも裏地の縫い合わせがヘタクソで脇線とか、直線に近いところはともかく、袖ぐりカーブの縫い合わせはどうもね・・・
一応裏地パターン(ゆとり展開済み)も作って裁断しているのですが、表地に動きの大きい素材を使っていることもあって、どうも計算通りにおさまらないことが多くて、それで手まつりで調整しながら縫っているのですよ。
いせが等分におさまっているかどうかは聞かないで。ってか、見ないで(爆)

★Nさま
洋裁教室は昔ながらの「家庭洋裁」のやり方ですね。あれですね、身頃と裏地を斜めじつけで止め付けて、裏地の添いを見ながら裾を決めるやり方でしょう?量産するのでないし、それがいちばん確実かも・・・
でも時間はかかるよね。

★Aさま
Aさんも手まつり派ですか~。
テーラーをどんでん返しじゃない方法というと、裏衿にカラークロス使ったりするのでしょうか?
ものの本には、表身頃と裏衿・裏身頃と表衿を縫い合わせて、刻みのところで四つ止めしてからぐるりを縫うやり方書いてますよね。私コレも巧く出来ないんです。
なので、勤めているときに教えてもらった方法でぬってます。上衿を先に形作ってから、身頃にそれぞれ縫いつける方法。完璧ではありませんがこちらの方がヘタクソなりに綺麗に仕上がるのですよ。
いせは・・・ちょっとぐらいならぐしも入れずにピン打ちだけで縫ってしまう私。もしかして、私ってものすごく大雑把?

★Cさま
Cさまは私と同じなのですね・・・ふむふむ。
学校で習ったやり方が、袖口はミシンで袖ぐりは手まつりだったのですよ。
返し口は裾でした。中縫いナシだったか、10センチほど縫い残したかはもう記憶の彼方です・・・
今の私の縫い方はそれのアレンジ版ですね。裾のまつりキラーイ。

★Sさま
わ~ ありがとうございます。ギョーカイでは背中心を大きく開けるのが主流なのですね。と言うことは、背中心のキセの奥は接ぎ目にしなくちゃいけないわけだ・・・ いつもわさで裁っていたので、背中心で返すのは思いつきませんでしたわ。


Jさまコメント
◎Aさま
あの、私はいせるためのぐし縫い、しないんです。。。(^^;)
ミシンの特性を利用してマス。うちのミシンは送り歯に薄地モード(歯低め)があるので、裏地を縫うときは当然?押えは弱で薄地モード、で縫うわけですが裏袖付けをするときだけは、送り歯をわざと普通地にし、身頃を上に袖を下にして縫います。これで縫うと袖がするすると送られて。。。いせが入ります(^^ゞ
このやり方は表布の肩を縫うときにも使っています。私は肩ぐせはダーツで始末するより、いせる方が好きなもので(^^ゞ
このやり方だと裏地なら12センチに対して7ミリぐらい、表布(ウール等)なら12,3センチに対して1~1.5センチくらいのいせまで入れられます(^^;)

◎巨匠
上衿を先にというと、ラペルとの縫い合わせは表衿が渡しまつり、裏襟は縦まつりでつけるやり方ですか?私も、初めて裏付きJKを縫った時はそれでやりましたよ(^^)というか、参考にした母の教科書(文化服装講座)にはそのやり方が載っていたからです。衿&ラペルの端、そして返り線まで斜めじつけだらけにして、やりました(^◇^;)
その後、短大と専門学校では四つ止めを使う方法を習いました。しかし、短大でやった方法は結構手間がかかったような・・・(^^;)
ちなみに、同じ文化でも学院と女子大(と短大)とでは微妙に違う方法で教えていたと思います。今はわかりませんけど、学院用の講座(文化ファッション講座)と女子大用のそれは別々で、へぇっと思ったものです(^◇^)


たなかコメント
★J師匠
>ラペルとの縫い合わせは表衿が渡しまつり、裏襟は縦まつりでつけるやり方ですか?
ミシンに決まってるやん~(爆)上衿の外回りは出来上がり線までで縫いとめて、表に返してアイロンで整えておくのね。身頃の方はラペルの縦線のところまで縫って、一旦返してアイロンで整えておくのん。で、また戻す。
それから、それぞれの衿ぐりに上衿を付けて、最後にラペルの刻みの横線を縫う、という手順になります。

私も初めて縫ったジャケットはしつけ糸巻き付けまくった記憶が・・・切りじつけして、しつけして縫って、うだうだして、1ヶ月以上かかったような・・・
実際の縫いの作業なんて、集中すれば1日で終わるのにね~

↑に書いた縫製手順、ちょっと眉唾・・・
うろ覚えなのを思い出しつつ縫ってたんやけど、もしかしたら

裏身頃に表上衿を縫いつける→ラペルの刻み横線のところを縫う→表身頃に裏上衿を縫いつける

の順かも。
「上衿に一針かけて縫います」っていわれたのが印象に残ってて、どの段階で言われたのかずっと考えてたんやけど、ラペルの刻み横線のところ縫うときだったような気がしてきました。
文字で説明してもわかりにくいですね。すいません。自分だけわかってます。

また自分でいろいろ縫ってみて、何が正解か見極めます・・・


Jさまコメント 
σ(^^;)も本当は、手まつりは袖口だけにして裾はミシンで行きたいところです。裾って距離が長いじゃないですか(爆)
パターン作るときに、キセ分調節したり縫い合わせ距離をきっちり合わせた(袖口とかね)裏地パターンを全部作るのだから、オールどんでんできるはずなのに表と裏を縫い合わせた後、なじませてみると2、3ミリズレてたりすることが多いんですよね・・・(^◇^;)


たなかコメント
2~3ミリずれるってのはどこの事かしら・・・?そんなのしょっちゅうよ私(爆)
今回私が縫ったジャケットは、自重で伸びる分に見返しがついて行かなくて(裏地との接ぎ目が伸びない)辻褄を合わせるのにちょっと苦労しましたわ。


Aさまコメント
>裏衿にカラークロス使ったり
しません。しませんよ~。
>表衿が渡しまつり、裏襟は縦まつりでつけるやり方
これに近いです。
裏はさすがにミシンだったりしますが。。。。

あと素材がざっくり系だと↑のようなやり方でいけますが、詰まった織りの布だとどんでん返しの方がやっぱり「きりり」と仕上がるようなので、布によって縫い方を変えたりしてます。

★Jさん
>1~1.5センチくらいのいせまで入れられます
お~!凄い!
1センチ以下ならしつけをすれば何とかなりそうですが、それ以上は無理ですわ。(~_~;)

>縫い合わせ距離をきっちり合わせた・・・パターン
やっぱりそうなんですね。袖口をまつる際も表布側を出して、裏地をいせるようにまつりつけていく超原始的な方法でやってます。
(この表現かなり分かりにくいですね。)m(__)m

>2、3ミリズレてたりする
表と同じパターンの裏なので、ずれるのは当たり前なので、気にしたこともありません。
う。。。。やっぱり、これって問題ありかも。。。。

アパレル生産方式のさまざまな縫い方をこれから研究しないと石器時代の縫い方になってしまいますね。
いろいろ情報をありがとうございます。m(__)m


Jさまコメント
◎巨匠
いせ量が変わるのは縦、つまり丈分ですね。脇縫いとかで縫い縮んでしまうのかなぁ、足りないことが多い。なので裾のキセ、ほんとは1センチのはずなのに7,8ミリでまつってることが多いです。どの位置もまんべんなく2,3ミリ足りなくなるのなら、その分込みのパターンを作れますが、場所によって違うので。。。(^^;)どんでんは布端を合わせて縫うから、そのままだと裏地の裾線はガタガタになりますよね、なのでまつるときに縫い代幅、ときにはイセ分を調節して辻褄合わせてるんですわ(^^;)

◎Aさま
いせですが、肩はやはり1cmまでですね。1.5cm入るのは袖付けです。もちろん、いせの入りにくいギャバジンとかベネシャンは私も、ぐし縫いしてからつけます。これはしろも2本どり1,2ミリの縫い目でぐしぐいいきます(^^;)フラノや平織りのウール、もともといせの少ないブラウスはぐし縫い無しで楽勝でいけます(^^ゞ
いせのぐし縫いといえば、昨日私はFISMA(東京ミシンショー)でぐし縫い機能付きミシンを見てきました(^◇^)ノミシン脇に設定用液晶タッチパネルがついてまして、画面上の袖ぐりの図にここは何ミリ、ここからここまでは何ミリいせを入れると設定したら、あとはだーっと縫うだけで指示どおりいせが入ります(^^;)なのであとは身頃と合わせるだけというもの。同行した友人はその存在を知ってて、このミシン持ってる工場さんだと袖付けキレイに上がるんだよね、と言ってましたが、私は初めて見ましたわ・・・(^^;)

---------------------
ぜいぜい。
とりあえずざっとコピペしました。各自いろいろ役に立つところを取り入れてください。
新たなコメントも大歓迎~
パターンショップの縫製指示書がどうなっているのか気になるところです。

あとでどんでんのやり方の載った本の紹介します。
(*と、思っていたのですが、手持ちの本ではこれぞ!ってのがありませんでした。期待していた方すいません)

S師匠の
Sのお勧めは「どんでん」より見返しの裾始末。
見返しの裾に「きせ」を入れると吊れが防止できて千鳥掛けなんかも不要。

これについては別記事で詳しく紹介したいと思います。う~時間が足らん!

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コメント

どんでんを実行するということは裏地をお使いですね?
うひゃひゃ。。。
今度は裏地、いりませんか?
間違えて発注した1.5m×3色と、後は1m弱位(?)が数色あります
ベストやスカートならとれると思います
ただ、今の時期なのでAKP1854(三景品番)の冬物です

どんでんの書き込み内容とても興味深く読ませて頂きました。

私もオーダー・サンプルの製作とともに外注パターンの仕事もしておりますので、勿論全ての裏地はキセ・折り返し分・厚み分を入れて展開して製作しております
どんでんの方法は、、、
衿を含め表と裏それぞれを縫い上げ後裾を10cmから15cmを縫い残し裾から衿周りまですべてミシンで合わせます、もちろん袖口もです。
パターン上で計算し合わせておく事が1番速いですし、量産の時の製作方法でなければパターンとしては未完成ですので。。。


★ちゃんかさま
おかげさまで、先日戴いたものはたいへん役に立ってます。
裏地は・・・どうしようかなー
ベストはたいてい一重仕立てやし、スカート類は滅多に縫わないし、色目が合ってないとあかんしなー。
ちょっと考えさせてください。

★vanillaさま
vanilla様の書いてくださった縫い方は、今私が縫っているやり方とほぼ同じだと思います。
オーダーの、たった一枚のためにパターンを操作展開することに疑問を抱くこともあったのですが、これをきちんとしておくと圧倒的に縫うのが楽なんですよね。

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